米国の高配当株に投資する場合、魅力的な銘柄が沢山ありますが、やはり個別株特有のリスクが付き物。
大企業でもビジネスが陳腐化し、いつまで配当を維持できるかわかりません。
粉飾決算などを行っている可能性もあります。
このような個別株特有のリスクが気になる場合は、ETF を購入すると、複数の銘柄に分散してくれるので安心です。
ルールに沿って、自動で定期的に銘柄を入れ替えてくれるので、良くない銘柄は自動的に排除されることでしょう。
FIRE していて配当金を生活費にしている場合などは、安定感が重要だと思います。
また、日本株は個別株を持っていると株主優待が貰えることがありますが、米国株は株主優待がありませんので、尚更 ETF の方がメリットがあります。
VYM のチャート
2007 年以来、約 2 倍の株価となっています。
米国高配当株 ETF の比較
米国高配当株 ETF は主に 3 銘柄(VYM、HDV、SPYD)ありますが、その中でも VYM が成長性や分散の面で有利です。
簡単に 3 種類の ETF の違いを説明します。
- VYM ... 約 3 % の配当利回りで低め。分散銘柄数は約 400 銘柄と圧倒的。キャピタルゲインも期待できる。
- HDV ... 約 3.5% の利回り。分散銘柄数は約 80 銘柄。
- SPYD ... 配当利回りが約 5 % と高い。分散銘柄数は約 80 銘柄。
パフォーマンス比較は以下の通り。高配当 ETF の比較なので当然ですが、配当再投資で比較しています。
僅かながら VYM が最も高いパフォーマンスとなっております。
配当再投資なしの場合は VYM と他 2 つの差が開きます。VYM でキャピタルゲインも狙えることがわかります。
但し S&P500 には敵わない
しかし、高配当株の宿命ではあるのですが、成長株の割合が低い(≒含まれない)ため、キャピタルゲインを取り切れず、どうしても S&P500 よりパフォーマンスは低下します。
以下、VYMと VOO (S&P500 連動 ETF)との比較です。配当再投資で比較しています。
これは高配当株の宿命なので仕方ないですね。
攻守のバランスが良い ETF
S&P500 にはパフォーマンスが劣後していたものの、今後の相場で何が起こるかわかりません。
相場低迷時に安定した配当金が得られることは、精神的な助けになります。
また、リタイア者にとっては切実なキャッシュフローの助けになります。
分散も効いているので、ある程度守りつつ、資産を育てたいという人にはピッタリな ETF だと思います。