S&P500と米国債(ヘッジ有)の相関について

米国株式と組み合わせて、米国債がポートフォリオに入ることが多いです。この2つは逆相関の関係にある(はず)のですが、それはあくまで米ドルから投資した場合。

日本円から米国債に投資した場合はどのようになるか簡易的に調べてみました。

 

そもそもドルベースで米国株式と米国債は逆相関か

まずは、米国株と米国債が本当に逆相関なのか調べてみます。

ちなみに、きちんとデータがある訳ではないので、簡易的かつ感覚的に調べてみます。

 

以下に、青色:S&P500(VOO)と、橙色:米国債(BND)の2年間のチャートを表示します。

S&P500(VOO)と米国債(BND)の比較 ※MorningStarより引用

S&P500(VOO)と米国債(BND)の比較 ※MorningStarより引用

逆相関もなにも、米国債(BND)が何も動いていないように見えます。ぼくは勘違いしてたんですが、米国債はボラティリティが低いから安全資産と言われるのであり、ヘッジに使えるほど逆相関がある訳ではないんですね。

 

もっと見たい方は、モーニングスターHPからどうぞ。

というか、このモーニングスターの比較機能、とても便利だなぁ。。

 

日本円から米国株式と米国債に投資した場合はどうか

では、今度は日本円から米国株式(ヘッジ無し)と米国債(ヘッジ有り)に投資した場合は、どのような関係が出るのか試してみます。

 

比較するのは、SPYの日本上場版(1557)と、iシェアーズ・コア 米国債7-10年(為替ヘッジあり)(1482)の2つです。

下の画像を見ると、逆相関になっていることがよく分かりますね。 

S&P500(VOO)と米国債ヘッジ有(1482)の比較 ※MorningStarより引用

S&P500(1557)と米国債ヘッジ有(1482)の比較 ※MorningStarより引用


 

では為替ヘッジ無しの米国債でも実験してみます。今度は、SPYの日本上場版(1557)と、上場インデックスファンド米国債券ヘッジ無し(1486)の2つを比較します。

2017年秋頃まではこの2つは連動していたようですが、その後1486が下落して……、しかしその後はまた同じような動きをしています。よくわかりませんね。

S&P500(1557)と米国債ヘッジ無(1486)の比較 ※MorningStarより引用

S&P500(1557)と米国債ヘッジ無(1486)の比較 ※MorningStarより引用

 ここまで見てきた上では、日本円からの投資で株のヘッジに使うには、米国債はヘッジ「有」を選んだ方が良さそうですね。

 

ヘッジ有無でのパフォーマンスの違い

最後に、ヘッジ有無でのパフォーマンスの違いを見てみたいと思います。

一般に、為替ヘッジをすると、ドルと円の短期金利の金利差分だけコストがかかるので、為替ヘッジの方がパフォーマンスが落ちると言われています。

 

iシェアーズ同士で、ヘッジ無(1656)ヘッジ有(1482)の比較をしてみます。

結果は以下の画像ですが、局面によるのでどちらとも言い難いですね。

(記事執筆時点では、ヘッジ有(1482)の方がパフォーマンスが高いですが…)

米国債ヘッジ無(1656)とヘッジ有(1482)の比較 ※MorningStarより引用

米国債ヘッジ無(1656)とヘッジ有(1482)の比較 ※MorningStarより引用

日興アセットマネジメント同士でも比較してみます。

ヘッジ無(1486)ヘッジ有(1487)の対決です。iシェアーズと大して変わらないことがわかったと思います。

米国債ヘッジ無(1486)とヘッジ有(1487)の比較

米国債ヘッジ無(1486)とヘッジ有(1487)の比較

米国債は為替ヘッジを選んだ方が株のヘッジにもなりそう

さて、まとめると

為替ヘッジ有りの方が、株式のヘッジ効果はありそう

ヘッジ有と無では、パフォーマンスの良し悪しは不明

でした。

株式のヘッジ目的なら、米国債は為替ヘッジ有りを選んだ方が良いですね。余談ですが、ETFの出来高もヘッジ有りの方が多いので、流動性リスクも少ないです。

 

また、近年の相場は有事の際の円買いです。(リーマンショック・東日本大震災など)

米国株が売られるような時は、円高に振れる確率が高いので、ヘッジ有りにしておけば円高の影響を抑え、米国債が手堅い動きでポートフォリオを支えてくれるでしょう。